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  新しい日本の再生が急がれる。戦後日本は平和と民主主義の旗の下、経済立国の道をひた走ってきましたが、その中であまりに「政治」をないがしろにしてきたのではないでしょうか。
  とくに近年の政治の劣化ぶりは、過去に例をみないほど深刻な状況にあります。政党・政治家の側では、政権の争奪や選挙の当落が自己目的化し、政治本来の使命である国家の運営や国民生活の安定は単なるスローガンにすぎなくなっています。同時にまた有権者の側は、既成政党政治への不信から、政治への関心を失って私的領域に没入するか、あるいは新奇で過激な言動で耳目を集める人物や勢力に漠然と期待感を寄せるなど、ポピュリズム的な傾向が強まっています。

  こうした「公共」を担う自覚と責任感の喪失は、放置すれば議会制民主主義を危機に陥れることにもなりかねません。このことは、もとより喫緊の課題であると同時に、中長期的な視野で取り組んでいく必要があります。例えば、政治を担っている政治家と、未来の社会を担う若い世代が、正面から「政治」の意味とあるべき姿を論じ合い、ともに民主主義社会を支える主体として互いに高め合い鍛え合う場を創設することは、極めて有意義と思われます。
そこで、こうした現状を改革する一歩として、今秋、早稲田大学、東京大学、慶應義塾、政策研究大学院大学の有志教授が参加して、早稲田大学にて国民の政治リテラシーの向上を目指す講座を実施します。来年度以降は、さらに前進させる予定です。

  この講座に毎回明日を担う政治家を招き、ゲストスピーカーとして講義していただき、その後担当教員の進行で政治家、聴講の大学院生、学部学生を相手に質疑を行います。なお、講義はビデオ収録し、編集したものをインターネットで配信します。
講座は、経済界、マスコミ、官僚OB、大学の4分野で構成する有識者会議(約50人)が支援します。
混迷する世界の中で、日本が「豊かな少子高齢化」の社会モデルを造り上げてゆくためにも、この講座が明日を担う政治家と若者を育てる場となれるよう、皆様のご支援を期待しております。